ヘンリーサンドス製金メッキ時計を入手しました。
手に入れるまでブランド自体知りませんでしたが、ヨーロッパでは比較的メジャーなブランドらしく
70年代にのれん分けし、本家スイス・スペイン・シンガポール・香港で各種時計作りをおこなっており
シンガポールは廉価な時計を、香港はETAを載せた時計など様々なラインナップがあったようですね。
今回入手したのはスイス製の本家モデルで60年代製造のようです。
ただ残念ながらレフナンバーがわからず、調べてもモデルがわかりません。
724-56 ?
PLAQUE G20 ?
この年代から防水、耐震付きが当たり前のスイス時計産業はやはり時計屋の雄だったのでしょう。
ただまぁ今時の防水とは考えが違いますし、そもそも年代物の防水はダメなことが多いです。
文字盤は周辺から腐食があり、ケース裏側も状態がわるいことから湿気の強い環境だったことがうかがえます。
スクリューバックでも、プラ風防は表から水分入りますからね、しょうがないね。
結構な汚れ!緑青も見えてきちゃない。
輪列にも汚れが落ちてますし、はやめに分解できてよかった。
というか、初めて見るタイプの耐震装置です!なんだこれ???
文字盤は縁がアールを描いているタイプ、インデックスは彫ってあり立体感のある金色が視認性に一足。
色が変わってる部分はクリアがはげてしまい、ロディコでもげるくらい、ここはノータッチをキメます。
ほんと腐食がなければ・・・もったいねぇ~~~。
表面。
カレンダー無しは最高ですよ・・・。
保油機構があるなど、高級機のような構成。
同じムーブメントでも保油機構なしとかありますしね、ただしネジがもげる。
ムーブメントは調べるとHSF.56のようです。
HSFはヘンリーサンドス・フィルスの略。
どうも、サンドスの同じようなタイプはカンヌキ抑えが折れるらしく、この時計も折れてました。
幸い無くても切替はできるので、パーツが探せるかは今度にしましょう・・・。
初めて見るタイプの耐震装置とおもすび伏石です。
おむすびを三角の受けに収めて、金属バネを回して固定します。
一般的な受け石と伏石が外れていつもどおりの注油ができないのでなかなかやりづらいし、油が玉状になってるかもわかりにくいです。
スイスは基本インカブロックのイメージがあったため、これにはびっくり。
製作コストも高くなるんじゃないでしょか。
ひげぜんまいは偏心してるためできるだけ修正します。
エタクロンのように煽り調整ができそうなパーツがありますね、独自の機構がほかのメーカーと差別化されているように感じます。
消えていった機構は果たしてダメだから消えていったのか、はたまたETAの暴力に消されたのかは知りません。
上手いこと修正ができて片振りもないし、わからないアオリ調整レバーは触らないようにします笑
HSF56で調べるとチラネジ付きテンプだったり、保油装置が別物だったりバリエーションが多いようです。
若いナンバーのHSF55は耐震装置がおむすび型じゃなかったりと、サンドスは構成がよくわかりません・・・。
テンプなどは交換されている可能性もあるし、深く考えないようにしよう。
組み立てて完成!メッキのくすみもバフで解消しました。
文字盤の腐食は困ったもんですが、同色系ですし遠目で見ればグラデーション()にも見えなくもないんでそのまま使いましょう。
年代特有のプラ風防は磨けば復活してくれるDIYに優しい子ですよ。
ムーブとケースを仕上げている中思ってたけど、本当に薄い時計です。
スリムなカフスでもまったく干渉せず、快適!
みてください、裏ブタとリューズの頭がほぼ平行してます。
ここまでくると手首の動かし方によっては関節に刺さりますわ。快適とは。
小ぶりなカン足とベゼルの紳士時計。
袖口から見える控えめな金色が大変上品です。
惜しむらくは文字盤ですが、これも歴史が物語るデザインとして使っていきましょう。
コメントを残す