2023年9月19日
ワンピースケース56LM
ロードマチックは実に多様なケースやデザインが存在していますが、ワンピースケースも特徴的なLMの一つ。
セイコーのワンピースケースは風防を専用工具で取り外す必要があり、こちらもそのタイプ。
これは自分用なので、キズは着けても割れないくらいを目指して、外しました。
風防はインナーが圧入されて、より密着するように入っているので見た目以上にガッチリはまってます。
普通の時計と違って竜頭を外すときも表面からアクセス、日付け窓横のチョボを押してオシドリを開放します。
防水性が高いケースのおかげか、使用環境なのかわかりませんが、文字盤の腐食などは無く良好です。
56系は優秀なムーブメントとして名高く、実際に触っていてもシンプルな作りが好み。
リバーサー式巻き上げ機構は効率がよく、しっかり巻き上げてくれます。
保守的な意味では後発のマジックレバー式のほうが楽なんですが、手巻き時の感触が悪い。
その点リバーサーは手巻きの感覚が残って好きです。
緩急微動調整装置や秒針規制装置など、時代が求めた機構がしっかり入っている名機です。
輪列。
56系の泣き所と言えばこれ。
揺動レバーの樹脂歯車。
今回の機会も無事壊れてました。。。
ジャンクから移植か、同じようなマシンから移植がよさそう。
今時の時計は竜頭一段引きして、上下で曜日と日付早送りができるモノが多いですけど
セイコーで一番最初に搭載したのが56系からです。
それまでは別体ボタンやリューズ押し込み、もっと古いと、時刻を行ったり来たりさせないといけないなど試行錯誤の時代がありました。
時代が流れていくと、よりシンプルかつ頑丈になりますが、「面白い」のはこういった時代のモノですね。
パーツ出ませんがね。
風防はドーム型プラスチック風防なので磨けば光ります。
プラ磨きもいいですが、思い切って風防磨きサンエーパール様を使うと大変きれいになりますよ。
落ちてた日付窓も修復して組み立て。
風防こじった際に着いた傷がなんとも痛々しいけど、自分用なので気にしません笑
ボロでも使いたい理由は・・・なんといっても国鉄功績表彰記念時計なので!
これをもらえた人はどんな人だったんでしょうか?いろんな事に思いをはせられる素敵時計ロードマチックでした。