薄型高級機「ライナー」の普及機として登場したスカイライナー。
いまどき少ない小径ケースと、手巻き故の薄さは腕の細い僕にピッタリ。
サビはあれどもケース内の水分侵入の痕跡はすくなく文字盤の状態も良い、なのに日焼けによる色合いが素敵すぎてすぐ確保しました。
61系は普及型自動巻きムーブとして長らく作られた機械なのですが、このスカイライナーは手巻き。
輪列配置などに見覚えのあるのは系譜として一緒です。
これは自動巻き機構なし唯一の61系となるのですが、もっと詳しいことはインターネットと書籍が教えてくれるので割愛します。
一度も整備されてない60年代時計と思えないくらいきれい、ホゾやギアの確認をしつつ洗浄します。
あっゼンマイの写真撮り忘れちゃった・・・
洗浄中は暇なのでケース側を確認。
隙間などに当時ものの汚れが詰まっているためよく落としておきます。
レトロなドーム風防は小傷でくすんでいても、ひび割れ無いものなら磨けば光ります。
大きな傷は1000番付近で、2000、3000と水研ぎしたあと、我らがサンエーパールで仕上げました。
ケースの傷けし作業。
エッジが丸くなると眠たーい印象になってしまいます。
また平面がデコボコになっても反射が汚くなります。
注意しながら研磨していきますよ。
三又ダイヤショックやダイヤフィックスなど、仕上げは普及機でもしっかり作りこまれた60-70年代黄金期のマシン。
精度も僕としてはバッチリ出せました。
つやつやになった時計は最高ですね。
手巻きは時計との対話を楽しめる時間を設けてくれる。
時間を見る道具ととらえず、巻く時間だけでも「時計」という「作品」を見る機会にもなります。
それが面倒だとも思ったりもご愛敬。
着けてた人の歴史を感じる、シャカシャカ純正ベルト。
古臭くて最高です。
薄いベルトと薄い時計が袖口を邪魔せず着け心地は良好ですよ。
奇をてらわない、普通
なセイコースタイル。
こういうのでいいんだよな。